私は過去にJNCCで、「FUN-C表彰圏外→2年後COMP-Bシリーズチャンピオン」という「超・急成長」をしました。
「へぇ~!そんなエグイ人ほんとにいるの!?」と思った方へ、私の自己紹介はコチラ
皆さんはサスセッティングを変更したあと、違いがわかりますか?
このような方が多いのではないでしょうか?
わたしもサスセッティングの「違いがわかる」ようになる前は、
荒れた路面を走破する「エンデューロ」では「柔らかめ」にするとよいという情報を頼りに、やみくもにセッティングを変更する始末。
そのあと師匠に教わるようになって、「サスセッティングの重要性」を理解したり、リバルビングを経験して知識をたくさん吸収したり、たくさん時間をかけて試行錯誤を繰り返したりして、「違いがわかる」ライダーに進化しました。
そのかいあって、「変更してもぼんやり」と言われるノーマルサスにおいて「1クリックの変更の違い」を体感できるようになり、「転びにくく、楽に速く走れる」ようになったことで成績が急上昇しました。
そんなわたしが、皆さんに「違いがわかる」ライダーになってもらえるよう「わかりにくいサスセッティングについて、どこよりもわかりやすく」解説していきます!
記事は以下の方に参考になります
- サスセッティング変更の違いがわからない方
- サスセッティングで悩んでいる方
- 「サスセッティングは分からない」と諦めている方
「違いがわかる」だけじゃなくて、そもそも自分にあったセッティングをしっかり出せるようになりたい!
だけど周りに聞く人もいなければ、何から取り組んでよいか分からない…。
そんな方へ向けて、わたしが試行錯誤を繰り返して到達した内容を惜しみなく書いた渾身の記事があります。
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「違いがわかる」を習得するメリット
サスセッティングの違いがわかると、さまざまなメリットがあります。
以下の3つです。
- レベルに合ったセッティングが出せるようになる
- サスセッティングを外しにくくなる
- 車体を変更しても対応できるようになる
レベルに合ったセッティングが出せるようになる
とにかく、この要素が「めちゃんこ」重要です。
サスセッティングが自分のライディングを邪魔せずに、サスペンションに助けてもらえるようになります。
レベルに合ったセッティングが出せる結果として、「楽に速く」走れるようになり、成績アップに繋がります。
具体的には転倒しそうになっても耐えることができたり、荒れた路面を楽に通過できたり、無意識にアクセル開度が大きくなったりします。
そのうえ、自分がレベルアップしたときも「今のレベル」に合わせることができ、自己解決することができます。
セッティングを外しにくくなる
サスセッティングを外してしまうと転倒するリスクが上がり、ケガに繋がります。
すこし外してしまう分には対応することはできますが、大きく外してしまうとまともに走れなくなり、特にマディコンディションでは絶望的にダメになります。
例えばなしで説明すると、マラソンをする際には軽くて走りやすい「ランニングシューズ」をはくのが最適となります。
これがスニーカーならまだしも、「革靴」となったらどうでしょうか?
まともに走れないのは誰もが分かることです。
これと同じ内容がサスセッティングする場合でも起こり得ます。
サスセッティングは非常に奥が深く、前と後ろ、圧側と伸び側があり、それぞれが何十段階も調整することができます。
ただクリック数を変更するだけで、そのセッティングが「ランニングシューズ」になったり、「革靴」になったりします。
なので「セッティングを外さない」ことは、とても重要です。
車体を変更しても対応できる
苦労して出したサスセッティングも、マシンを乗り換えれば白紙にもどります。
ふたたび乗り込みからはじめ、サスセッティングを出し直す必要があります。
サスセッティングの「違いがわかる」と、マシン特有のサスペンションの動きであったり、フロントやリアの特性であったり、以前乗っていたマシンと比較することが可能です。
しかし「違いがわからない」と、以前のマシンで慣れていた「ラインディングスタイル」に合わせたサスセッティングを出すことができないので、ガクンとスピードが落ちたり、転倒しやすくなる可能性があります。
また「違いがわかる」と他のマシンに乗ってみて違いを「体感」することができたり、別のマシンのサスセッティングを出したりできるようになります。
「違いがわかる」ライダーになる方法
結論としては、「自分のアンテナを高める」というアプローチとなります。
以前サスセッティングがまったく分からなかった私が、分かるようになるまでに「何をしたか」を紹介していきます。
以下の3つです。
- 真ん中に乗る
- 数値を大幅に変更してみる
- 荒れた路面でシッティングで走る
真ん中に乗る
マシンの真ん中に乗るようにします。
しかし、「真ん中」という表現が非常に分かりにくいです。
簡単に言います。
いまより、前乗りしてください。
「真ん中」の正しい位置は、ステップの真上です。
大人からオフロードバイクを始めた方は、ほぼ100%「うしろ乗り」がスタンダードとなります。これは同じ「またがる乗り物」である自転車のポジションに由来しています。
自転車はサドルの位置に対して、ペダルの位置が少し前にくるようになってます。
オフロードバイクの「真ん中」は、座る位置の真下にステップがくるので、自転車のポジションになれている大人にとっては「とても違和感があるポジション」となります。
意識して習得しないかぎり、自然にはできません。
ほとんどの人がうしろ乗りに慣れているので、はじめは「真ん中」にのると、とても心配になります。
ですがこれを乗り越えると、後ろのりで「リア荷重」だったのが、「真ん中にのる」ことで前後バランスがよくなり、サスペンションが正しく機能することで想像以上に安定して走ることができます。
コーナリングでは「前に座る」と教わったり、ネットや雑誌で散見されます。
しかし私たちのような大人からはじめた、「ザ・エンデューロライダー」は後ろ乗りが基本スペックなので、「常に前乗り」することでやっと、マシンの真ん中に乗ることができます。
数値を大幅に変更してみる
現在のセッティングから、大きく数値を動かして乗ってみます。
大きく数値を動かすことで「なんとなく違う」から「けっこう違う」となり、変化を感じやすくなります。
以下がポイントとなります。
- 変更前の数値を覚えておく
- はじめは変更を1か所だけにする
- フロント・リアは互いに影響しあう
変更まえの数値を覚えておく
当たり前のことですが、とても大切です。
数値を覚えずにクリックを変更していると、
となりやすく、「まあ、こんなもんでいっか」と適当に終わらす確率があがります。
昔のわたしは、これを頻繁にやってました……。
数値を変更する前に、いまの前後すべてのクリック数をメモしておくことをオススメします。
はじめは変更を1か所だけに
1か所を大幅に変更すると、変化が分かりやすいです。
「フロントのみ」「圧側のみ」「フロント・リア伸び側のみ」など色々なパターンで変更してみて、自分がどう感じるかメモします。
「フロントの数値を変更すると、こんな変化がある」などといったデータ取りをひたすら繰り返すことで、「変化を感じるアンテナ」が高くなります。
過去の私は、この作業をひたすら繰り返し、メモするだけでなく動画撮影してみて動きをチェックすることも同時に行いました。
フロント・リアは互いに影響し合う
たとえば、リアが硬く感じたので「リアの圧側」を緩めたとします。
すると、変更していないはずの「フロントが硬く」感じることがあります。
次はフロントを緩めて乗ってみるか、数値を元に戻すか判断することになります。
この現象はたびたびに起こり、逆のパターンでフロントを緩めたらリアが硬く感じることもあり、「サスセッティングは訳わからない」となりやすいです。
サスセッティングに慣れてくると、次のアクションがすぐ決められたり、微調整できたりするので時間はかかりませんが、はじめはとにかく大変です。
サスセッティングは「前後バランス」がとても大切なので、頭の片隅に「フロント・リアは互いに影響し合う」ことを入れておくことをオススメします。
荒れた路面をシッティングで走る
シッティングで走ると「ごまかし」が効きにくいです。
スタンディングは身体を大きく動かすことで衝撃を吸収できるので、すこしは「ごまかし」が効きます。
身体が動かしにくいシッティングはサスペンションの動きを体感しやすく、「違いがわかる」ようになる方法としては最適です。
以下がポイントとなります。
- 平坦では「前乗り」が簡単
- サスセッティングが合わないとできない
- 体にしみこませる
平らな場所では「前乗り」が簡単
先ほど真ん中にのるには、「前乗り」する必要があると伝えました。
しかしこれを、平らな場所で練習しても効果が薄いです。
「前に座るだけ」で簡単にできるので、簡単に忘れてしまいます。
そこで私から提案するのが、「ガレ場・荒れた路面」をシッティングで走ることです。
平らな場所だと言葉どおり「ただ前に乗る」だけで達成してしまいますが、「ガレ場・荒れた路面」だと、車体が大きくフラれやすいので「前に乗りづづける」必要があります。
「前に乗りつづける」というのがポイントで、その位置で耐える必要があるため、身体がより「真ん中に座る」という要素を覚えこみやすくなります。
サスセッティングが合わないとできない
荒れた路面をシッティングで走るのは、そもそもサスセッティングが合っていないとできません。
ゆっくりと走れないということは、速く走ってもスタックしやすくなり、スタンディングで身体を動かして通過する場合でも、転倒のリスクが高い状態と言えます。
傾斜がついた難しい登りはゆっくり走るのはムリですが、平坦なガレ場や荒れた路面なら可能です。
このように思うなら、走れるようにサスセッティングをし直すことをオススメします。
体にしみこませる
「真ん中」に乗ることを、ひたすら反復練習して体に覚えこませます。
意識してできていることでも、攻めた走りをする場合はすぐに忘れて「後ろ乗り」に戻ります。
コースの中で1番、ポジションが崩れやすいセクションは荒れた路面です。
あえて荒れた路面で練習することで、他のセクションでは簡単に「真ん中」に乗ることができるようになります。
常に真ん中に乗る基礎練。
このスタンスで取り組むことをオススメします。
「違いがわかる」を習得するデメリット
「違いがわかる」を習得するにあたり、デメリットが存在します。
以下の3つです。
- かなり時間がかかる
- 「自分に合う」が分かりにくい
- 教えてくれる人がすくない
かなり時間がかかる
違いがわかるようになるまでには、かなりの時間がかかります。
中には習得が早い人がいるかもしれませんが、自分のアンテナを強化するしか方法がないため、長期戦を覚悟したほうがよいです。
私はサスセッティングを真剣に試行錯誤しはじめてから、2年以上かかりました。
運よく師匠にサスセッティングのポイントを教わることができたので「違いがわかる」ようになりましたが、教わる前は何もわからないので適当にセッティングして乗っていました。
時間が掛かっても習得できればよいですが、習得できない可能性もあります。
「自分に合う」が分かりにくい
そもそも「どの状態が自分に合う状態か」分かりません。
正解が分からないのに「やみくも」に数値を変更しても、よいセッティングが出ないのは明白です。
「自分に合う」と思うセッティングのポイントは、以下の通りです。
- 変な動きをしない
- 転びにくい
- アクセルを安心して開けられる
まとめると、
急にフロントやリアが弾かれることがなく、転倒しそうになっても耐えてくれ、恐怖心が少ないのでアクセルを開けられる状態。
ただし、この状態も人それぞれ違うので「自分のアンテナ」を高めていくことが重要となります。
教えてくれる人がすくない
サスセッティングはその人の「感覚」が重要となります。
この「感覚」というのが厄介で、人によって「乗りやすさ、好み」が違います。
昔は「好み」という便利なことばに、非常に悩まされました……。
「感覚」の言語化はとてもムズかしく、「このように数値を動かすと、このような動きになる」と理論的に教えてくれる人がいればよいですが、そこは「運」となってしまいます。
周りに聞ける人がいない場合、かんたんに迷宮入りして「まあ、こんなもんでいっか」と適当に終わらせてしまうことが多いです。
これらのデメリットをみて「ガーーーン」となったあなた。
サスセッティングについて諦めるのはまだ早いです。
上記のデメリットを解決する「分かりにくい内容を、どこよりも分かりやすく、ていねいに」説明した記事を用意しました。
\ 「速くなる」を実現!/
注意点
紹介した「違いがわかる」方法では、全力で走らないでください。
転倒・ケガのリスクがあります。
とクレームを入れないでくださいね、みなさん(笑)。
「どーかなー?」と走り以外に集中してしまう状況になるので、転びやすいタイミングといえます。
実際に私も、「真ん中に乗る」を習得するために練習していたときは、とにかく「ゆっくり」走って体に覚えこませることをメインとして取り組みました。
おわりに
今回はサスセッティングの「違いがわかる」ライダーになる方法3選ということで、「違いがわかる」メリット・デメリット、具体的な方法を解説しました。
「違いがわかる」メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- レベルに合ったセッティングが出せるようになる
- サスセッティングを外しにくくなる
- 車体を変更しても対応できるようになる
デメリット
- かなり時間がかかる
- 「自分に合う」が分かりにくい
- 教えてくれる人がすくない
「違いがわかる」ライダーになる方法は以下の通りです。
「違いがわかる」ライダーになる方法
- 真ん中に乗る
- 数値を大幅に変更してみる
- 荒れた路面でシッティングで走る
サスセッティングの「違いがわかる」と、楽に速く走れたり、ケガしにくかったり、他の車両のセッティングが出せるようになったりと、メリットが盛りだくさんです。
今回の内容が少しでも参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。