当ブログは、初級者~中上級者にむけて、AA師匠のアドバイスで「急成長」して上級者になった実体験をもとに、エンデューロの上達に役立つ「ノウハウ・マインド」を惜しみなく伝えています。
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私はカコに、「FUN-C表彰圏外→2年後COMP-Bシリーズチャンピオン」という「超・急成長」をしました。
「へぇ~!そんなエグイ人ほんとにいるの!?」と思った方へ、私の自己紹介はコチラ
YZ250Xユーザーの皆さん、「低速の粘り」に不満を感じたことはないでしょうか?
このように思ったことあると思います。
低中速域のトルクアップを狙ってカーボンリードバルブを付けたり、エキゾーストを変更したり、ギア比をローギアードに振ってみたりと色々なアプローチがあると思います。
私はこの方法を知らなかったので、キャブセッティングを変更することによって「なるべく高いギアで走行して平均速度を上げる」という目標を達成しようとしました。
メカニックおやぢに協力してもらいながら、メインジェット・スロージェット・ジェットニードルの数値を何度もなんども何度もなんども何度もなんども………変更してもらい(笑)、
エアスクリューを調整しながら「バチッ」とハマるセッティングを出す努力をしました。
しかし、気温・湿度・標高で変わってしまうキャブセッティングに翻弄され続け、自分なりに「調子よい」と思えるキャブセッティングが出すのに丸1年掛かりました。
結論として、YZ250Xでヘビーフライホイールへの交換は「超・有効」です。
そこで今回は、実際の使用経験をもとにヘビーフライホイールのメリット・デメリットを紹介したいと思います。
この記事は以下の方に参考になります。
- YZ250Xのパワーに翻弄されている方
- ヘビーフライホイールに興味がある方
- 低速の粘り、エンスト耐性を改善したい方
- 社外製エキゾーストを使用している方
はじめに

フライホイールについての知識・取り付け方などは、私も購入する際に読んだSujiniku Motorsさんが書かれたコチラの記事を参照ください。
私が言えるのはモトクロッサーである「YZ250」も、エンデューロモデルである「YZ250X」も、同じ重さのフライホイールが付いているという点です
「ヘビーフライホイール」を装着するコトでより本来の「エンデューロモデルに近づくのではないか?」と思います。
取り付けたヘビーフライホイール
マシンファクトリーフェアル製・ウエイト溶接済み新品フライホイールウエイト(7oz+3oz)を取り付けました。
GYTR社でもヘビーフライホイールを販売してますが、重さを変更できないため、この商品を選択しました。
※商品代金は税込み29,700円で、送料は2万円以上は無料となります。


※ウエイトリング装着状態
2種類の重さを選択でき、脱着可能な3オンスのウエイトリングが付属します
7オンス:モトクロスコース等使用のハイスピードED向け
9オンス:セクションの多い低速ED向け&2スト250ccのパワーを持て余している方向け
ウエイトリングは容易に取り付け可能なので、路面コンディションに合わせて「ウエイトを重くする」といった選択をすることができます。
私は「クロスカントリーレース」に照準を定めているので7オンスを選択しました。
ヘビーフライホイールのメリット
実際に使ってみて感じたメリットを紹介します。
以下の3つです。
- 1つ高いギアで周回出来る
- エンストしにくくなる
- 出力がマイルドになる
1つ高いギアで周回出来る
コレが一番のメリットだと感じました。
今まで2速で通過していたところでも、3速で通過できるようになりました。
具体的に説明すると、コーナーの立ち上がりで「回転がついてくる」という感じです。
以前は3速で通過すると「回転がついてこない」ので、半クラッチを当てて「回転を上げる」必要がありました。
しかしヘビーフライホイールを装着することにより、低速に粘りが加わることで半クラッチを当てずに加速することが可能となりました。
キャブセッティングが重要
適切なキャブセッティングが出ていないと、ヘビーフライホイールをつけたとしても期待する「低速の粘り」を出すこと自体むずかしくなります。
しかし「気温」「湿度」「標高」で変わってしまうので、私は「調子よい」と思えるキャブセッティングが出すのに丸1年掛かりました。
適切なキャブセッティングが出せると、「もっと楽に、もっと速く」走れるようになります。
\ 「速くなる」を実現!/
エンストしにくくなる
変更後すぐには違いが分かりませんでしたが、現在メカニックおやぢが乗っているYZ250FXに乗ってみてよく分かりました。
3速で走行しているときに一瞬アクセルを緩めて、再度アクセルを開け足したときに、
エンストしてその場で転倒。
しかしこの現象は、普段乗りなれているヘビーフライホイール装着後のYZ250Xでは起きませんでした。
低速トルクに関しては4stの方が有利にも関わらずです。
エンストするかしないかの領域で色々と試してみましたが、「ドロドロ」と粘ることでエンストしづらいことを体感しました。
低速タイトコーナーでも立ち上がりで少し半クラッチを追加すれば、走行中にギアを落とさずに走れました。
出力がマイルドになる
同じ車両に乗っている師匠と「車体入れ替え」をしたときに体感しました。
と言われて「車体入れ替え」するのはたびたびあり、全体バランスやセッティングに違和感がないか判断してもらえるので、とてもありがたいです。
以前に師匠のFMFフルエキゾーストに変更したYZ250Xに乗らせもらったときは、
と感じました。
しかし再度、ヘビーフライホイールを装着して乗り比べた時は、
と感じました。
パワーが明らかに落ちているという場合なら、乗って加速した瞬間に分かりますが、さほどパワーは落ちておらず「マイルド」になったという表現が一番ピッタリかと思います。
社外製エキゾーストを使用している場合
純正に比べると「抜けが良くパワーが出る」マフラー・チャンバーである場合が多いです。
抜けが良くなるので吹け上りが速くなり、2ストがトラクションしやすい「排気バルブが開く前の領域」を使いにくくなります。
この領域を社外製エキゾーストを使用して使いたい場合、「ヘビーフライホイール」がとても有効となります。
「排気バルブが開く前の領域」については、以下の記事に詳しく書きました。
ヘビーフライホイールのデメリット
使用して感じたデメリットは、以下の2つです。
- 値段が少々高い
- ウエイトがライダーに合わないとムダに
値段が少々高い
値段はほぼ3万円…。
なかなか買うのに勇気がいる価格です。
ただ値段を抑える方法として、自分のマシンの純正フライホイールを取り外して発送し、「マシンファクトリーフェアル製ウエイトを溶接してもらう」方法もあります。
その場合だと7オンス、9オンスそれぞれ、
部品代16,500円 + 溶接代3,300円 = 19,800円(税込)
となります。
しかし自分に合うかどうかは分からない上、合わない場合は純正フライホイールを買いなおす必要があります。
ウエイトが使用目的に合わないとムダに
注文するとき、「使用目的と合っていますでしょうか?」という質問を受けました。
私はクロスカントリー、ハイスピードED用として購入希望だったので、「しっかり合っています」と伝えて購入しました。
取り付けたのち、河原のコースでウエイトリングなしで何周か走ったあと、ウエイトリングを取り付けて走行したとき、購入時に受けた質問の意味がよーやく分かりました。
半周もせずにお試し終了。
当時の感想を素直に書きます。
え、おそっ!!!!!!!
分かりやすく変化を説明すると、「エンジンブレーキが全体に加わる」ような感じです。
回転の上がりが遅くなり、走っててすぐ分かるくらいマイルドになりました。
私の使用目的だと、「7オンス」が最適だとしっかり身をもって体験しました。
「7オンス+ウエイトリング3オンス」でかなりマイルドになるので、JNCCやWEXに出場しているライダーは「7オンス」を選択した方が良いと私は思います。
YZ250Xセルキット装着の体験談
2025年式YZ250Xに乗り換えたタイミングで、PANTHER MOTORSPORTS YZ250Xエレクトリックスターターキットをメカニックおやぢに取り付けてもらいました。

わたしが使用しているのは「発電なし」のセルキットで、定期的に充電が必要となるモデルです。
セルキット装着にともない、専用のフライホイールを使用しなければならないので、マシンファクトリーフェアル製のヘビーフライホイールを外すことになりました。

またセルキットを取り付けた人の感想として、「加速がもたつく・YZ250Xの良さがなくなる」といった理由で、セルキットを外すひとがいるというウワサを聞いていました。
このような不安もありましたが、結論的には取り付けて大正解でした。
YZ250Xにセルキット装着した理由
わたしがセルキット装着を決意した理由は3つあります。
- エンジンが掛けられなくてタイムロス
- 転倒後の疲れた状態のキックスタート
- 登り斜面でスタックしたとき
エンジンが掛けられなくてタイムロス
レース中に「ガレ場の登り斜面」でスタックしてしまい、斜面にたいしてマシンが真横をむいて止まってしまいました。
けっきょくニュートラルにしてマシンを押しながら下って再スタートしましたが、セルキットを装着してエンジンがすぐかけられたら、疲れないうえにすぐ再スタートすることができました。
レース中はなにが起こるかわからず、ちょっとした出来事で結果が大きく左右されてしまうので可能性は少しでも潰すのが理想です。
転倒後の疲れた状態のキックスタート
レース中は一生懸命走っていることもあり、ふだん転ばないような場面で転倒することがたびたびあります。
転倒後すぐにバイクを起こすことができれば再始動がはやいですが、転倒してキャブレターからガソリンが漏れて少なくなった場合、キックの回数が増えてしまいます。
ただでさえ疲れているレース中なのに転倒してバイクを起こして、さらになんどもキックしければならない状況はかなりコクです……。
急な登り斜面でスタックしたとき
YZ250Xの場合、急な登り斜面でスタックしてしまうと、ギアを入れているにも関わらずリカバリー中にバイクがどんどん「パスッ」といいながら下がってきます。
「セルモーターでの引っかかり」が無いため、斜面にたいして真っすぐ止まったとき、どんどんバイクが下がってきてしまいます。
急な斜面でただでさえバイクを押さえておくのがキツイのに、勝手にバイクが落ちてくるのでそのまま転倒につながってしまいます。
YZ250Xにセルキット装着した感想
正直な感想としては、取り付けてほんとうに良かったです。
加速は予想していたとおり少しマイルドに感じますが、吹け上りが速く路面をかきやすい2スト250のデメリットを補ってくれます。
コーナーの立ち上がりのバーシャル域で粘ってくれるため、路面をかきにくく高いギアで立ち上がりが可能です。
転んでもセルボタン一発でエンジンを掛けることができ、ヒルクライムのリカバリーでもバイクが勝手に下がってくることはありません。
もしセルキット装着を考えているかたは、非常にオススメなのでお金の余裕があればぜひ、検討してみてください!
更に伝えたいこと
記事を書こうと思ったキッカケのはなしです。
確かに商品はかなり気に入りましたが、それ以上にマシンファクトリーフェアルさんの「対応の素晴らしさ」に感動しました。
購入時の不安
ヘビーフライホイールを知り、「買って付けてみるぞ!」となってから、ネットでさまざまな情報を検索しました。
そうしてマシンファクトリーフェアルのホームページに行き着き、「PRODUCTS」の中に「フライホイールウエイト」という商品を発見。
「詳しくはコチラ」と記載され、Facebookに飛ぶようリンクしてありました。
Facebookの投稿ページに飛ぶも詳しい商品説明が書いてあるだけで、現代の「商品をカートに入れる」というシステムになれてしまった私は、購入方法が分かりませんでした。
ページの投稿年月が2016年の投稿…。
上記に挙げたSujiniku Motorsさんが書かれた記事が2021年…。
そして購入当時が2023年の年末間近…
「え?まさかもう売ってない?」という不安を抱えながら、FacebookのMessengerで問い合わせをしてみました。
即返信、即発送
返信が来て「現在も販売している」とわかり一安心。
メールでは商品説明や上記に挙げた質問や商品の値段、支払い方法などを丁寧に記載してくれました。
以下に問い合わせた1日の時系列をまとめます。
くんすけ:問い合わせ開始 11:20分
フェアル:返信が来る 11:51分
くんすけ:購入希望と住所を記載した内容を返信 11:55分
フェアル:振込先と値段を明記した内容の連絡 13:36分
くんすけ:振込をして、振込完了を連絡 15:29分
フェアル:発送完了の連絡が届く 16:18分
売っているか分からない不安な状態で問い合わせてから、当日に発送完了。
このスピード感すごくないですか!?
私はメチャクチャ感動しました!
そしてなんと、次の日の午前中に商品が届きました。
感動したので、商品が到着した内容を連絡。
そして更に、
最後の返信内容に感動しました!!!
くんすけ様(実際は本名)
お世話になっております。
無事にお手元に届いたようで安心しました。
くんすけ様のマシンライフに少しでも彩りを添えることができましたら幸いです。
また何かありましたらお気軽にご相談ください。
この度は誠に有難うございました。
「対応スピードの速さ」に更に上乗せする「感動する文章」。
おわりに
今回はマシンファクトリーフェアル製ウエイト溶接済み新品フライホイールウエイト(7oz+3oz)を使用してみて感じたメリット、デメリットを紹介しました。
メリット、デメリットは以下の通りです。
メリット
- 1つ高いギアで周回出来る
- エンストしにくくなる
- 出力がマイルドになる
デメリット
- 値段が少々高い
- ウエイトがライダーに合わないとムダに
また、セルキット装着した理由や感想について紹介しました。
記事を読んで試してみたくなった方はぜひ、購入を検討してみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。