実体験

【実体験】COMP-Aになって知る「鬼ハード設定」

こんにちは。

練習の虫くんすけ(@kunuke5_com)です。

今回は、COMP-Aになって知る「鬼ハード設定」というテーマで書いていきたいと思います。

現在私は全日本クロスカントリー選手権、通称JNCCにフル参戦しております。

午前・午後で出場クラスが分けられており、初心者でも参加のしやすいコース難易度のFUNクラス(100分)、コース難易度が高めなプロも参戦しているCOMPクラス(3時間)があり、私はCOMPクラスに出場しています。

COMPは下から、Rクラス、Bクラス、Aクラス、AAクラスとレベル分けされており、私はAクラス、所謂上級者のクラスで参戦してます。

 

私はレースに出始めた頃から、COMP-Aクラスに強い強い強い憧れがありました

初心者、中級者が憧れるCOMP-A。

雲の上だと感じる緑ゼッケン

あんなに上手に速く走れたらどんだけ楽しいんだろうか…

WEXに出場している頃、COMP-AクラスはWEX出ると10分ハンデがある事を知りました。

そのハンデがありつつも上位に食い込む速さ…

カッコ良すぎる…

だがしかし!!

昇格したらしたで、色々見えてくる世界……

現実はそんなに甘いものではありませんでした。

Bクラスの時の方が楽しかったと言う人が多いのも事実です。

今回は私がCOMP-Aクラスで実際に思ったことを正直に伝えたいと思います。

周りのライダーが速すぎる

とにかく下のクラスとは全然違います。私もAクラスルーキーイヤーの開幕戦で衝撃を受けました。とにかくスタート直後から周りのスピード域が高く、先頭集団なんてスタート後からもうしばらく会いません。次に会うのは周回遅れにされるときです(笑)

またスタートである程度前に出ないと、自分にスピードがない限りそのまま後ろの順位です。RクラスやBクラスなら後ろの方からスタートしても何とかなりますし、私はAクラスに上がるまではスタートは後ろでした。クラッシュに巻きこまれないように避けながら、安全にスタートするためです。ルーキーイヤーはスタートで並べる位置が後ろなので仕方ありませんでしたが、シングルゼッケンになってから極力前に出るようにしています。

更に、AクラスにはモトクロスIAライセンス保持者が混ざります。近年はIMXクラスを設けられたので初参戦ではクラスが分けられますが、そのクラスが開設される前に出場したことある人達は普通に同じAクラスとなります。もちろんですが、メチャクチャ速いです。ワークスライダー経験者はAAクラスになるので、その点は少し安心ですが…(笑)。

またモトクロスIBや幼少期のバイク経験のある人達もとても速く、大体上位に食い込んでくる人たちはそのパターンが多いです。

 

「あの人メチャ速いんですけど、どんな人ですか?」

 

「あーー、モトクロス経験者だよ。」

 

「ですよね……。」

 

このやり取りを師匠と何度したことか…(笑)

AAクラスへの昇格条件が厳しすぎる

 

特に条件3の、「総合12位以内に入賞」。このハードルがあまりにも高いです…。

総合上位は大体固定メンバーで、AA1とAA2の激速ライダーが沢山出場している中、この総合12位に食い込むのがどんなに難しいかは簡単に想像がつくと思います。

分かりやすくAAが20人出場していたら、少なくとも10人弱の人達より前でゴールしなければなりません。しかもその相手は紹介している昇格条件を一度はクリアしている人たちです。

それに条件2の、そもそも速い人達が多いAクラスなのに、一度2位か優勝しなければならないという条件も到底クリアできませんし、条件3のランキング上位3位以内とか、「ほぼAAやん!!」と思ってしまう程の難易度です。

また、条件4は要するに全体を通して5位以内のポイント、5位で18ポイントなので18ポイントを8戦、144ポイント以上を年間で取らなければなりません。

なので、ぶっちぎりで毎回優勝でない限り、1戦でもリタイヤしてしまうとかなり痛手となりますし、極端に成績が悪いとポイントに響きます。

この条件1~4全ての条件を満たさないとAAへ昇格することが出来ません。

このあまりにも難易度が高いハードル……

この高さ故Aクラスには、AAには昇格できずとも速いライダーが残留し続けます。急にスポットで出てきて入賞をかっさらう人はこのパターンも多いです。

年間を通すと、コースはカチパンなドライもあれば、激マディの時もあります。そして、この条件の高さゆえに、AAライダーはどのコース設定でも、どのコンディションでもとにかく速く、そしてバイクの操り方が上手です。

AクラスとAAクラスのレベル差は、近いようでものすごく遠いです。自分がAクラスに昇格して身をもって体験しました

下のクラスのメチャ速いライダーに抜かれて絶望する

全国大会となると、速いライダーは本当に沸いて出てきます。そしてその中でも目立つのがまだ10代や20歳前半の、小さい頃からバイク経験がある若くて速いライダーです。

一番下のRクラスで出場しているにも関わらず、Aクラスの中でも上位に食い込んでくるパターンは決して珍しくありません。Bクラスでも普通に自分より速いし順位の良いライダーはチラホラ居ます。

しかしその速い人達は、普通の子供が楽しく砂遊びしていたり、公園で友達と遊んでいる時に一生懸命バイクの練習をしていた訳で、モトクロスをやっていたとなると尚更、練習量や気合いが違い過ぎます。仮に3歳から乗っていたとすると、20歳で経験年数は17年目です。勝ち目がソモソモありません。

その様な目立って速いライダーは、大体飛び級してAクラスに昇格してきます。そしてまた速いライダーが同じクラスに増えていく訳です。ただ、そのような速いライダーでさえ、AAに昇格するのに結構苦戦する印象です。

一方、自分より実力があるライダーに抜かれるならまだマシなのですが、転倒したり、難所でスタックしていたり、調子悪くて乗れていないときにも同様に下のクラスに抜かれます。1周目でヒルクライムや難所で失敗した時、Rクラスの青ゼッケンに抜かれる時は心底「ヤバい!」と感じます。

今までRやBクラスの時は、ひたすら上のクラスの人を「追う立場」でした。私もBクラスの時、Aクラスの人を抜いたり、同じペースで走っている時は優越感がありましたが、自分がそのAクラスになると今度は「追われる立場」となります。この精神的プレッシャーは結構大きく、メンタルを強く保つ必要が出てきます。簡単にメンタルやられます…(笑)

Bクラスでは「速かった」ライダーも、Aクラスとなると周りが速いため、実力的に「大して速くない」状態となってしまいます。全戦出場しても1回も入賞すら出来ないということが普通にあります。何なら、Bクラスの時の方が総合順位が全体的に良かったということもあります。

内容は以上となります。

私は林道ライダー出身で、まずWEXやFUN-Cクラスに出場し始めて、COMPに転向してRクラスから地道に昇格してきました。Aクラスに昇格してからは、とにかく色々と衝撃的でした。

この内容は、同じAクラスの人なら首がもげそうになるくらい同感して頂けると思います(笑)

今はそんな厳しすぎる条件をクリアしようと、本気で試行錯誤しながら練習に取り組んでます!!

この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。