オフロードバイク乗りな皆さん、エンデューロをご存じですか?
このように思う方も、多いのではないでしょうか。
結論、エンデューロとは自然の地形を活かした未舗装路を長時間走り抜く、オフロードライディングのジャンルです。
エンデューロは、ナンバー付きのオフロードバイクなら河原や山に行けば練習が可能なため、趣味として始める敷居が低いのが特徴です。
また、JNCCのようなプロも混ざる本格的なレースもあれば、サンデーライダーが主流となるWEXもあり、全国各地で頻繁にレースが開催されています。
今回はJNCCで上級者クラスに参加しているくんすけが、エンデューロの魅力や特徴について解説していきます。
この記事は以下の方に参考になります。
- エンデューロを始めてみたい人
- エンデューロとモトクロスの違いを知りたい人
- エンデューロについて詳しく知りたい人
エンデューロとは?自然の地形を長時間走り抜くオフロードライディング

エンデューロをひとことで言うと、こんな感じです。
山や森の中をバイクで長時間走り続ける、オフロードライディングのジャンル
エンデューロのコースには、ゴロゴロした岩場や木の根っこ、登りや下りといったさまざまなセクションがあります。
体力も技術もどっちも必要で、けっこうハードですがその分やりきったときの達成感はハンパないです。
エンデューロにはさまざまなイベントやレースがあり、初心者でも気軽に参加できるものもたくさんあります。
まずはオフロードの中でのエンデューロの立ち位置から見ていきましょう。
エンデューロの立ち位置
オフロードバイクの競技はエンデューロやモトクロスだけではなく、以下のようにさまざまなジャンルがあります。
| ジャンル | 特徴 |
|---|---|
| エンデューロ | 自然地形の長距離コースを耐久で競う |
| モトクロス | 人工コースでジャンプや短距離スプリントを競う |
| トライアル | 足をつかずに難所をクリアする技術を競う |
| ラリー | 数日間にわたり長距離を走破するナビゲーション競技 |
| ダートトラック | 平坦なダートオーバルを周回しスピードを競う |
さらにエンデューロは、コースの難易度や競技形式によって以下の3つに分かれます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| エンデューロ(クロスカントリー) | 自然地形の周回コースで耐久を競う、最も一般的な形式 |
| ハードエンデューロ | 完走すること自体が困難な超高難度コースに挑む形式 |
| オンタイムエンデューロ | 区間ごとの設定タイムを守りながら走る、正確性重視の伝統的な形式 |
本記事では、初心者が最も参加しやすく競技人口も多い「エンデューロ(クロスカントリー)」をメインに紹介していきます。
エンデューロとモトクロスの違いは「走る場所」と「走る時間」

エンデューロとモトクロスの大きな違いは、走る場所と走る時間です。
エンデューロは自然の山や森をそのまま活かしたコースを長時間走るのに対して、モトクロスは人工的に造られた専用コースを短時間走ります。
もう少し詳しく比較すると、以下のとおりです。
※表は横スクロールできます
| 項目 | エンデューロ | モトクロス |
|---|---|---|
| 走る場所 | 自然の山(スキー場など) | 人工的に造られた専用コース |
| コースの特徴 | ガレ場、根っこ、急斜面など自然の地形 | 大きなジャンプ、フープス、コーナー |
| 1回の走行時間 | 60分〜180分(長時間) | 15分〜30分(短時間) |
| 求められるもの | スタミナ、走破力、持続するペース | ジャンプ力、正確性、瞬発的なスピード |
エンデューロがスピードに加えてスタミナや走破性が必要とされる一方で、モトクロスはジャンプスキルやコーナーの正確性、瞬発的なスピードが必要とされます。
陸上競技でカンタンに例えるなら、モトクロスが400mハードルで、エンデューロが長時間障害物競争といった感じです。
どちらが気軽に始めやすいかと言えば、オフロードバイクと装備類があればすぐに始められるエンデューロです。
エンデューロレースの種類

エンデューロレースの種類としては、以下のとおりです。
※表は横スクロールできます
| 種類 | 代表的なレース・シリーズ | 特徴 |
|---|---|---|
| クロスカントリー | JNCC、WEX | 全員で一斉にスタートし、決められた時間内にコースを何周できるかを競う形式 |
| オンタイムエンデューロ | JEC | 区間ごとに設定された目標時間を守りながら走行する、正確性とスピードが求められる伝統的な形式 |
| ハードエンデューロ | CGC、G-NET | 完走すること自体が困難な過酷な地形を攻略する形式。スタミナと極めて高い走破スキルが試される |
上記のほかにも、各地のオフロードコースが主催するレースがあります。
WEXは初心者から中級者を対象としたエンデューロレースで、レベルに合わせたクラス分けがされています。
たとえば90分クラスの場合、以下のようにレベル別でクラスが分かれています。
| クラス | 対象レベル |
|---|---|
| 90-A | 中上級者 |
| 90-B | 中級者 |
| 90-C | 初心者(レース経験が浅い) |
| 90-D | 入門者(マシン操作に不安がある人でもOK) |
ほかにも50分のクラスがあるので、「いきなり90分は不安…」という人でも気軽に参加できます。
エンデューロで乗るバイクの特徴と選び方

結論として、本格的に始める場合はエンデューロレーサーと呼ばれるエンデューロ専用に設計されたレース車両に乗るのがベストです。
分かりやすく、モトクロス専用バイクであるモトクロッサーと比較してみます。
※表は横スクロールできます
| 項目 | エンデューロレーサー | モトクロッサー |
|---|---|---|
| サスペンション | 柔らかめ(岩や根っこでの跳ねを抑える) | 硬め(大ジャンプの着地に耐える) |
| エンジン特性 | 低中速トルク重視(粘りと扱いやすさ) | 高回転・パワー重視(瞬発的な加速力) |
| リアホイール | 18インチ(クッション性と走破性重視) | 19インチ(剛性が高くシャープな挙動) |
| ギア比 | ワイドレシオ(低速〜高速まで幅広くカバー) | クロスレシオ(パワーバンドを維持しやすい) |
| 燃料タンク | 大容量(長時間走行に対応) | 小容量(軽量化優先) |
| 装備品 | サイドスタンド、ライト等あり | なし(極限の軽量化) |
エンデューロレーサーは荒れた路面を走破するために設計されており、モトクロッサーはハイスピードでジャンプを飛べるように設計されています。
なので、例えば以下のようなことをすると、地獄を見ることになります……
確かに、荒れていない路面やワダチをトレースする際はモトクロッサーの方が走りやすいです。
一方で、ガレ場や木の根、ヒルクライムなど、エンデューロ特有の難所が出てくると途端にダメダメになります。
トレールバイクってどうなの?
ナンバー付きで公道が走れて、気軽に河原や林道に行けるトレールバイク。
エンデューロ入門としてはとてもいい選択で、「舗装されていない路面を走る」というオフロードバイクの醍醐味を味わえます。
ですが、本格的にレースに出てみるぞ!となると、以下のような注意点があります。
- 車体のガード類をそろえる必要がある
- 転倒時に車体が重く、起こすのが大変
- コース全体のペースが上がりにくい
- サスペンションが公道仕様
トレールバイクはもともと公道を走る「街乗り仕様」のため、レースに出て速く走るには厳しい部分があります。
一方で、エンデューロレーサーはレースに特化した車両のため、トレールバイクよりも「楽に速く」走ることができます。
4ストと2ストってどっちがよいの?
エンデューロレーサーには4ストと2ストのラインナップがありますが、初心者の方には4ストがおすすめです。
エンデューロではタイヤが路面にくいつく現象である「トラクション」が重視されており、4ストのほうがエンジン特性の影響でトラクションしやすいからです。
タイヤが路面をしっかりとらえるのでガレや木の根、ヒルクライムで滑りにくく、安定して走れます。
一方で2ストの場合は出力にクセがあり、慣れていないとトラクションさせるのが難しい性質があります。
2ストの乗り方は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください▼
»2st/2スト オフロードバイク250を乗りこなすコツと4ストとの違いを解説
エンデューロに必要な装備

エンデューロをはじめるにあたり、自分を守る装備とバイクを守る装備の両方が必要となります。
しっかり装備をそろえておけば転倒しても大きなケガを防げたり、バイクの高額な修理を避けられたりと、安心してライディングを楽しめます。
とならないよう、ここでしっかり認識しておきましょう。
自分を守る装備
自分を守る装備は以下のとおりで、合計で約116,000円〜425,000円が目安です。
(※初心者向けの標準的な装備から、ニーブレスなどを含むハイエンドな競技モデルまで揃えた場合)
※表は横スクロールできます
| 装着部位 | 装備品 | 役割 | 費用相場(目安) |
|---|---|---|---|
| 頭・顔 | ヘルメット | 頭部の保護 | 20,000円〜80,000円 |
| ゴーグル | 目を異物から守る | 5,000円〜15,000円 | |
| 上半身 | ネックブレース | 首の損傷防止 | 30,000円〜50,000円 |
| チェストガード | 胸部・背中の保護 | 5,000円〜30,000円 | |
| エルボーガード | 肘の保護 | 3,000円〜15,000円 | |
| グローブ | 手の保護・操作性 | 3,000円〜10,000円 | |
| オフロードジャージ | 動きやすさの確保 | 5,000円〜10,000円 | |
| 下半身 | ニーブレス / ニーシン | 膝の保護 | 5,000円〜100,000円 |
| オフロードパンツ | 下半身の保護 | 10,000円〜35,000円 | |
| オフロードブーツ | 足首の固定・保護 | 30,000円〜80,000円 |
という方、
ダメです!!!(上から目線すいません……w)
エンデューロは初心者ほど転倒しやすく、装備があるかないかでケガの程度が大きく変わります。
実際にちょっとエンデューロに慣れたタイミングで、大けがをしてバイクをやめてしまった人を何人も見てきました……。
特に首を守るネックブレースは重要で、ウッズで木をくぐるときにクビを持っていかれたり、転倒して大きくクビをひねると最悪、半身不随になる可能性があります。
バイクを守る装備
バイクを守る装備は走行不能を防ぐためにとても大切で、壊してから装着するのでは遅いため、以下を参考にして装備をそろえましょう。
合計で約40,000円〜90,000円が目安です。
(※主要な4大ガードパーツを、樹脂製またはアルミ製で揃えた場合)
※表は横スクロールできます
| 装着部位 | 装備品 | 役割 | 費用相場(目安) |
|---|---|---|---|
| ハンドル周り | ハンドガード | レバー・手の保護 | 8,000円〜20,000円 |
| エンジン・車体下部 | スキッドプレート | エンジン下部の保護 | 12,000円〜25,000円 |
| エンジン側面 | ラジエーターガード | 冷却系の保護 | 15,000円〜30,000円 |
| 足回り | ディスクガード前後 | ブレーキの保護 | 5,000円〜15,000円 |
中でもエンジンを守るスキッドプレートが特に重要で、ガレ場や丸太でエンジンを破損すると、オイルが漏れて走行不能になります。
トランポがあれば走行不能になったバイクを積んで帰れますが、ナンバー付きバイクで練習に行った場合は帰れなくなります。
他にもラジエーターガードはレースで破損させやすく、冷却液が漏れたらその時点で走行不能となるため、必ず装着しましょう。
エンデューロを始めるのにかかる費用の全体像

という疑問に、ざっくりお答えします!
以下の表にまとめました。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| バイク本体(新車・国産) | 約1,000,000円前後 |
| バイク本体(新車・外国産) | 約1,200,000円〜1,500,000円 |
| バイク本体(中古) | 300,000円〜700,000円 |
| 自分を守る装備一式 | 116,000円〜425,000円 |
| バイクを守る装備一式 | 40,000円〜90,000円 |
※バイク本体の価格は排気量や2スト・4ストの違いによっても変わります。
新車で始める場合はざっくり150万〜200万円、中古で始める場合は50万〜120万円くらいが目安になります。
外国産の新車を買う場合は一気に価格が跳ね上がるので、注意が必要です。
すでにトレールバイクを持っている方は、装備一式(約16万〜50万円)をそろえればすぐに始められます。
くんすけのエンデューロ体験談

わたしがエンデューロを始めたときに感じた、素直な感想を共有します。
以下のような点で、「世の中にはこんなに楽しいことがあるんだ!」と心の底から感動したことを今でも覚えています。
- ふだん走れないところを走れる
- 登ったり下ったりできる
- 障害物を乗り越えて走れる
ふだん走れないところを走れる
エンデューロでは基本的に、舗装されていない路面を走ります。
土の上だけでなく、草の上や落ち葉の上、砂の上も走れちゃいます。
ふつう社会人になると会社に向かう道中は、歩行だろうが電車・車を使おうが、基本的にアスファルトの上です。
ふだんの生活で土の上を歩くことですら、少ないのではないでしょうか。
登ったり下ったりできる
エンデューロの醍醐味といえば、登り・下りです。
ほとんどの人が経験する二輪車といえば自転車ですが、下りは漕がないので楽ですが、登りってしんどいじゃないですか。
ですがエンデューロの登り、特に急な登り(ヒルクライム)をクリアしたときの達成感は格別です。
また、下りを自転車で降りる機会はないですが、エンデューロでは下りを降りる場合が多いです。
当初はゆるい下りでもめちゃくちゃコワく、心臓バクバクで降りていました(笑)。
エンデューロでは自由に登ったり下ったりできるので、「あそこ登れるかな?」「ここ下ってみるか!」など走れる範囲が広く、自由度が高い点が魅力です。
障害物を乗り越えて走れる
ふだん乗り物(車や自転車)にのってる状態で、障害物が現れた場合は避けて通りますが、エンデューロの場合は乗り越えて走ることができます。
フロントタイヤをあげる技(フロントアップ)を使えば、ちょっとした段差はもちろん壁のような大きい丸太まで乗り越えることが可能です。
わたしはエンデューロを始めたとき、フロントアップして丸太を乗り越えているライダーを見たときに感動しました。
はじめは小さい石や倒木の上をユラユラしながら通過するだけでも、達成感はものすごいです。
今ではレースで、丸太を積み上げた状態のまるで壁のような障害物を、フロントアップして乗り越えられるようになりました。
エンデューロに関するよくある質問

エンデューロとは何ですか?
山や森などの自然の地形を活かした未舗装路を長時間走り抜く、オフロードライディングのジャンルです。ナンバー付きのオフロードバイクがあれば河原や山で練習できるため、趣味として始めやすいのが特徴です。
エンデューロとモトクロスの違いは何ですか?
大きな違いは「走る場所」と「走る時間」です。エンデューロは自然の山や森を60〜180分と長時間走るのに対し、モトクロスは人工コースを15〜30分の短時間で走ります。
エンデューロを始めるのにいくらかかりますか?
新車で始める場合は約150万〜200万円、中古なら約50万〜120万円が目安です。すでにトレールバイクを持っている方は、装備一式(約16万〜50万円)をそろえればすぐに始められます。
トレールバイクでもエンデューロはできますか?
はい、できます。エンデューロ入門としてとてもいい選択ですが、本格的にレースに出る場合は車体の重さやサスペンションが公道仕様である点に注意が必要です。
エンデューロは初心者でも始められますか?
はい、始められます。WEX(ウィークエンド・クロスカントリー)にはマシン操作に不安がある人向けの90-Dクラスや50分の短時間クラスもあり、初心者でも気軽に参加できます。
まとめ
この記事では初心者の方に向けて、エンデューロの特徴やレースの種類、必要な装備、費用の全体像を解説しました。
エンデューロは自然の中をバイクで駆け抜ける、非日常感たっぷりのオフロードライディングです。
もし「やってみたいかも!」と思った方は、以下のステップで始めてみましょう。
- バイクを用意する(トレールバイクでもOK)
- 自分とバイクの装備をそろえる
- 河原や練習コースで走ってみる
- 慣れてきたらWEXや草レースにエントリー












