私は過去にJNCCで、「FUN-C表彰圏外→2年後COMP-Bシリーズチャンピオン」という「超・急成長」をしました。
「へぇ~!そんなエグイ人ほんとにいるの!?」と思った方へ、私の自己紹介はコチラ
4スト250エンデューロモデルに乗っている皆さん、4スト250の特性を生かしたライディングがデキているでしょうか?
このような感じな方もいらっしゃるのではないでしょうか?
わたしは前者のほうで、社会人になってからオフロードバイクに乗り始めました。
林道で「トコトコ」走っていたころから、「カチアケ全開」で走れるようになってCOMP-Aシングルになるまでの9年間、ずーーーーーっと4スト250に乗り続けてきました。
そのあと2スト250に乗り換えて、特性の違いに「あたふた」しながらも乗り込みを重ね、さまざまな内容を吸収しながら現在では、「2スト歴」が3年で300時間を超えました。
今だからこそ「4スト250」と「2スト250」の違いが、
メチャクチャよく分かります。
「2スト250」の規格は「4スト450」と同等とされてきましたが、近年の「4スト250」の進化が著しく、「2スト250」と比較して差が縮まっている傾向にあります。
そんな4スト250で林道ライダーから上級者まで「のしあがってきた」わたしが、4スト250を乗りこなす重要ポイントを徹底解説していきます。
この記事は以下の方に参考になります。
- 4スト250に乗っている人
- 4スト250の乗り方を知りたい人
- いつか4スト250に乗り換えたい人
4スト250の特徴
4スト250をうまく乗りこなすには、2スト250と比較したときの「よい面」と「わるい面」をしっておく必要があります。
比較する2スト250の特徴がイマイチわからない方は、コチラの記事を合わせて読むとスムーズに理解がススみます。
4スト250の「よい面」
以下の通りです。
4スト250のメリット
- 低速域でもトラクションする
- パワー出力が一定
- エンジンブレーキが効く
低速域でもトラクションする
4スト250は低速トルクがあるため、ゆっくり走っていたとしてもアクセル操作だけで簡単にトラクションします。
たとえアクセルをOFFにしていても、トコトコと前に進むくらいトルクが太いです。
ようす見でゆっくり走るときなどは、2スト250の場合は少しアクセルを開けて進むのに対して、4スト250はアクセルを開けなくても前に進んでくれます。
ふだん2スト250に乗っている人が急に4スト250に乗ると、
という感じになり、イメージよりもアクセル開度が小さい状態でも、楽に走ることができます。
また低速域のトラクションがよいため、2スト250よりも楽にフロントアップすることができます。
パワー出力が一定
アクセルを開けたら開けた分だけ、パワーが出てくれます。
2スト250には「排気バルブ」がひらく前とひらいた後では、大きく特性が違うのに対して、4スト250は良くも悪くもパワー出力がフラットです。
この特性は非常にわかりやすく、「半クラを使って回転数を維持させてトラクションさせる」といったムズかしいコトを考えなくても済むため、初心者でも扱いやすいです。
だだし2スト250と違い、アクセル開度が70%と100%で大きく出力が変わってしまうため注意が必要です。
エンジンブレーキが効く
フロントブレーキ、リアブレーキに次ぐブレーキとして知られるエンジンブレーキ。
4スト250はエンジンブレーキが強くかかるため、短いキョリで強くブレーキングすることができます。
これは下りセクションでも有効で、「ゆっくり下る」ことができる上、リアブレーキが強くかけられないマディコンディションでもとても役に立ちます。
4スト250の「わるい面」
以下の通りです。
4スト250のデメリット
- 車体が重い
- 弾かれたときの衝撃がデカい
車体が重い
2スト250と比べると、これが一番のデメリットです。
デメリットは以下の通りです。
- 車体を倒すとき「ヒラヒラ感」がない
- 車体が弾かれたとき衝撃が大きい
- 転倒後に車体を起こすのがキツイ
- 積み下ろしが大変
転倒したときに「谷側」を決めてしまったときの絶望感と言ったら……(笑)。
走っているときはさほど気になりませんが、リカバリーになると急激に重さがネックになります。
2スト250に慣れてきた今、4スト250に乗らせてもらうと、少し車体を押しただけでも、
と毎回おどろかされます(笑)。
またコーナリングで2スト250の「ヒラヒラ感」に慣れていると、4スト250の「重ったるさ」を不満に思う場合があります。
ただ師匠はいつも、
と言っているので「慣れ」の要素もかなり大きいと思います。
弾かれたときの衝撃がデカい
2スト250と比べて車重があるため、車体が弾かれたとき大きくふられます。
特にガレ場や木の根、ギャップを走行するときに顕著に表れます。
これは2スト250ではじめてガレ場を走った時に感じた内容で、
逆に4スト250はサスセッティングをしっかり合わせていかないと、まともに走れない上に転倒のリスクが高まります。
暴れる車体を抑えながらの走行となり、めちゃくちゃ疲れる上に腕上がりします。
今ではハイスピード寄りでギャップ走行でも不満がないようなサスセッティングをしていますが、以前は完全に「ガレ場スペシャル」みたいなセッティングをしていました。
それゆえ、昔はギャップやハイスピード区間がとても苦手だったので、「どちらを取るか?」という選択になります。
「荒れた場所に特化」だけじゃなくて、そもそも自分にあったセッティングをしっかり出せるようになりたい!
だけど周りに聞く人もいなければ、何から取り組んでよいか分からない…。
そんな方へ向けて、わたしが試行錯誤を繰り返して到達した内容を惜しみなく書いた渾身の記事があります。
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乗りこなす重要なポイント
4スト250をうまく乗りこなす方法を紹介します。
以下の3項目です。
- アクセルワークを丁寧に
- 半クラッチをうまく使う
- エンジンブレーキをうまく使う
アクセルワークを丁寧に
4スト250は低速トルクがあり、低速域でもトラクションしてくれる分、走りが「ギクシャク」しやすくなります。
特にコーナリングの立ち上がりギクシャクしやすく、「いちいちトラクションしてしまう」という感じです。
これは低速トルクがうすめな2スト250と大幅に違うポイントです。
2スト125や2スト250から、4スト250に乗り換えたときに一番苦戦する点が、この「アクセルワーク」です。
2ストのつもりでアクセルをあけると、間違いなく転倒もしくはオーバーランに繋がります。
師匠もいぜんに、
と言っており、当時のわたしはその意味が分かりませんでした。
高回転で乗る場合では「2スト250の加速がスゴイ!」程度ですが、低回転で乗る場合は乗り方がまったく違います。
とにかく、丁寧なアクセルワークを心がける。
これに尽きます。
アクセルワーク練習方法
とにかく、コーナリング中に「2度開けしないこと」がなにより重要です。
具体的には「グラデーション」のように、「ジワーーーーッ」っと開けるイメージです。
そのためには自分が曲がれると思う適切なスピードに減速する必要があります。
このアクセルワークは基礎練で効率的に練習することができます。
以前「アクセルワーク」について詳しく書いた基礎練の記事があるので、そちらを参照ください。
半クラッチをうまくつかう
「第2のアクセル」とも言われるクラッチ操作。
半クラッチをうまく使えるようになると、路面にかけるトラクションをコントロールすることができます。
4スト250は低速トルクがある上、しっかりトラクションするため、アクセルのオンオフのみだと、
となりがちで、狭いセクションや細かい切り返しがある場合は、かなり走りにくいです。
4スト250の特徴でも解説したようにパワー出力が一定のため、半クラッチを使用しながらの走行がしやすいです。
2スト250の場合は、半クラッチを使用すると吹け上りが早くなって高回転域になり、路面をかきやすいため非常に使いにくいです。
これはマディコンディションでも有効で、路面をかいてしまわないよう「上手く駆動を逃がしながら」走ることが可能となります。
半クラッチ練習方法
以下の4つです。
この中で自分にあう練習方法で取り組んでみてください。
1. 平地でのクラッチ操作感覚の確認
目的: 半クラッチの「つながりポイント」を体で覚える。
方法:
- 平らな場所でニュートラルから1速に入れる。
- エンジンを低回転で維持しながら、クラッチレバーをゆっくり放す。
- バイクが動き始めるポイント(半クラッチの位置)を確認。
- そのポイントを意識しつつ、クラッチを握り直す。
ポイント: 動き始めるポイントでの手の感覚とエンジン音の変化に集中する。
2. 低速でのクラッチ&アクセル操作
目的: 半クラッチとアクセルの組み合わせをスムーズに行う。
方法:
- 小さなカラーコーン(なんでもOK)を直線に配置。
- アクセルを少し開けた状態で半クラッチを使いながら低速で進む。
- パイロンを一定の速度でジグザグに通過。
ポイント: クラッチを握る量とアクセルの加減を連動させる意識を持つ。
3. 登り発進練習
目的: 傾斜でのクラッチ操作感を鍛える。
方法:
- 緩やかな登りを見つけてバイクを停止させる。
- アクセルを一定に保ち、クラッチをゆっくり放して動き出す練習。
- バイクが後ろに下がらないように半クラッチでコントロール。
ポイント: 登りでの練習は操作ミスがあると転倒するので、初めは緩やかな傾斜で行う。
4. スタンディングでの半クラッチ操作
目的: 実戦的な技術を向上。
方法:
- スタンディング姿勢を取り、低速で半クラッチを使いながら走行。
- アクセルオフで、8の字をちょーゆっくり小さめに回る。
- クラッチ操作で前後のバランスを取りながら進む。
ポイント: 足のポジションとクラッチ操作を連動させる意識を持つ。
コーナーで半クラッチはつかうのか?
基本使いません。
使うとしてもコーナー立ち上がりでエンジン回転数を上げて加速したい場合のみです。
……が正直に告白しますと、
わたくしくんすけは2ストに乗りかえる最近まで、ずーーーーーっとコーナー入口から出口まで半クラッチを使い倒してました……。
わたしは練習量がおおいためエンジン稼働時間が多くなる傾向ですが、半クラッチを使用する機会が多いぶん、クラッチトラブルも多かったです。
師匠にもよく、
と言われており、
とアドバイスをいただきました。
元プロライダーがやっているyoutubeチャンネルでも同じことを言っています。
そして基礎練を積み重ねて、半クラッチをコーナーで使わなくなった今だから分かることが、
コーナーで半クラッチを使う→トラクションを逃がす→グリップするタイミングがワンテンポ遅れる→コーナー全体が遅くなる
という「負の連鎖」が存在していると実感しました。
半クラッチを使わない方が、あきらかにコーナリングがスムーズかつ速く曲がれます。
もちろん使う場面もあり、エンストしそうレベルのタイトコーナーは今でも使います。
この練習は「クラッチを使わずにコーナリングする」ことを、オーバルや8の字でひたすら繰り返し、「自動化」できるようになるまで取り組みます。
エンジンブレーキをうまく使う
4スト250にのっている皆さんは、エンジンブレーキをうまく使えていますか?
このような方多いのではないでしょうか?
わたしも例にもれず、「リアフルロックブレーキ」を常用していました。
クラッチを完全に切っている時点で、エンジンブレーキは全く使えなくなります。
リアを完全にロックさせた状態は、グリップを失っている状態ともいえます。
この状態は平らな路面ならまだしも、急な下りであったり、マディコンディションであったりするときは非常に危険であり、一瞬で転倒します。
エンジンブレーキを使用すると、「車体が前に進もうとする力」をマイルドにすることができます。
特に下りで有効で、下るだけで「勝手にスピードが出てしまう状態」を緩めることができます。
エンジンブレーキにより「いつでも止まれる安心感」がうまれ、結果的により速い速度で安定して下れるようになります。
エンジンブレーキ練習方法
以下の3つです。
この中で自分にあう練習方法で取り組んでみてください。
1. 基礎練:エンジンブレーキの感覚を掴む
場所: オーバルや8の字ができる平たんな路面
方法:
- 自分なりの「ブレーキしないで曲がれる」速度で走行。
- アクセルを完全に戻し、クラッチを切らずに減速する。
- エンジンブレーキの効き具合やリアタイヤの挙動を感じる
ポイント: ギアを高めに入れるとエンジンブレーキが弱く、低いギアほど強く効くため、ギアを変えながら効き具合を確認します。
2. 下りでの練習
場所: 緩やかな短めの下り
方法:
ギア1速を選択。
ブレーキを使わずにエンジンブレーキだけで下る。
フロントブレーキあり・なしを繰り返して減速の加減を感じる。
ポイント: 下りでフロントブレーキを強くかけると転倒するリスクがあるので、じわっと掛けます。
3. 下りでの練習(リアブレーキとの連携)
目的: エンジンブレーキとリアブレーキをバランスよく使う技術を身につける。
方法:
ギア1速を選択。
エンジンブレーキにリアブレーキを軽く使ってスピード調整。
リアロックしないように、リアブレーキはじわっと踏む。
ポイント: エンジンブレーキを主体にしつつ、リアブレーキを補助的に使うと「どんな動きをするのか」を意識して取り組みます。
4スト250はマップで激ヘンする
最近はどのバイクメーカーの4スト250も、標準で「速いマップ」と「遅めマップ」が入っており、ハンドルについている専用ボタンで切り替えが可能です。
コースでガンガン攻めたいときには「速いマップ」、疲れたときやマディコンディション、ムズかしめなセクションを走るときは「遅めマップ」を使うなど、シチュエーションによって使い分けられるのでとても便利です。
さまざまなメーカーがあるなか国産のヤマハのみ、専用アプリで「ハイレビング」「トルキー」などといった数種類ある既存マップの入れ替えをしたり、自分で「専用マップ」を作成することができます。
既存マップを使ってみたけどイマイチ乗りにくい……
「もっと調子よいマップはないの?」と思っているあなた。
わたしがCOMP-Bシリーズチャンピオンになったとき作成した、400時間以上試行錯誤をくり返し、実践投入を重ねて完成させた「くんすけマップ」があります。
\ 今すぐ速くなる!/
おわりに
今回はオフロードバイクの4スト250を乗りこなす!重要な3つのポイントを解説ということで、4スト250の「よい面」「わるい面」、乗りこなす重要ポイントを紹介しました。
以下の通りです。
4スト250のよい面
- 低速域でもトラクションする
- パワー出力が一定
- エンジンブレーキが効く
4スト250のわるい面
- 車体が重い
- 弾かれたときの衝撃がデカい
乗りこなす重要なポイント
- アクセルワークを丁寧に
- 半クラッチをうまく使う
- エンジンブレーキをうまく使う
アクセルワークとエンジンブレーキに関しては、2ストにも通ずるものがあるので、是非参考にしてみてください。
さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。