私は過去にJNCCで、「FUN-C表彰圏外→2年後COMP-Bシリーズチャンピオン」という「超・急成長」をしました。
「へぇ~!そんなエグイ人ほんとにいるの!?」と思った方へ、私の自己紹介はコチラ
前回はトップライダーの特別講義編というコトで、基礎練で「速くなる」理由、基礎練で「速くなる」メリットについて紹介しました。
オフロードバイクで「速くなる」基礎練の極意|トップライダーの特別講義編|
そして今回はオフロードバイクで「速くなる」基礎練の極意|キーポイント編|です。
皆さんは、基礎練をどんなやり方で取り組んでいますか?
こんな感じなのではないでしょうか?
しかし!!!
私が伝えたい「速くなる」基礎練は少し違います。
もちろんゆっくりやってフォームを確認するコトも大切ですし、私もやりました。
ですがコースで全力で走ってみると、スピード域が違うため間違いなくフォームが崩れてしまうと思います。
そこで!!!
オーバルや8の字を全力でやる
という方法を提案します。
コレをやるとやらないでは大きく差が出ます。
この練習方法はとてもキツく、慣れていないと5分で息が上がります。
今回は「ゆっくり」と「全力」の基礎練で上達するポイントをそれぞれ詳しく解説していきます。
何も考えずに基礎練を繰り返してしまうと「悪いクセ」を体に染みつかせることになりかねません。
トップライダーに手取り足取り、ライディングにおける「力の入れ方」を詳しく教えてもらえる環境であればまだしも、聞けない方が多いのも事実。
そこで私が、スポーツバイオニクス(生理学、解剖学、力学)にもとづき、6か月で100時間以上の基礎練を積み重ねて発見した、再現性のある「力の入れ方」を徹底解説します。
\ 成長速度爆上げ/
記事は以下の方に参考になります。
- 基礎練の重要性ついて知りたい方
- 基礎練のノウハウを知りたい方
- 基礎練でスピードを身に付けたい方
基礎練で練習する2つの要素
要素は以下の通りです。
基礎練で練習する要素
- シッティング
- スタンディング
それぞれに前回説明した「進入・旋回・加速・減速」があります。
シッティング
ここで皆さんに質問です。
基礎練で「オーバルや8の字をやる」となったらどのようなメニューでやりますか?
このような方が実際には多いのではないでしょうか?
もちろん私も、そのように思っていた一人です。
しかしですよ?
コース全体を走るとなると、シッティングのままずーっと走るコトは「わざとやらない限り」ありませんよね?
ギャップがあったり、荒れていたり、ガレていたりと、シッティングのままだとカナリしんどいと思います。
つまりシッティングのみのコーナリング練習だとかなり限定的な練習となってしまいます。
スタンディング
ただ、こういう人が多いのではないでしょうか?
スタンディングはシッティングと違い、慣れないと不安定で恐怖感も強めです。
しかし私の知る限り、「スタンディングを使わずにコースを周回している」という速いライダーは居ません。
本人的に「苦手意識」があるとしても、その人のレベル相応の技術を持ち合わせていると思います。
なので基礎練でも「スタンディング」練習するべきであると、ここでシッカリ伝えておきます。
スタンディングの上達が、平均タイムアップにつながる理由
上級者になればなるほど「スタンディングの割合」が大きくなっていくのは、皆さん何となく体感していると思います。
とレースで速いライダーに抜かれながらよく思っていました。
昔の私は、
荒れている・難しい = 怖いのでシッティングで通過する
でしたが、上級者になった今では、
荒れている・難しい = 可動域を広くとるためにスタンディングで通過
という考え方です。
いっけん、シッティングの方が安定しそうな気がするのですが、「重心」という観点から考えると真逆となります。
重心は低いほど安定するのは承知の事実ですが、シッティングでは一番荷重がかかっている所が「シート」となり、重心が高い状態です。
いっぽう、スタンディングでは一番荷重がかかるのが「ステップ」のため、重心が低い状態です。
更にシッティングでは上半身の可動域しか使えないので動きにカナリ制限がありますが、スタンディングでは上下前後左右にかなり余裕をもって動くことが可能なので、急なフラれに対しても対処がしやすいです。
と思う方がいると思いますが、上級者になればなるほど、
シッティングとスタンディングでの頭の位置がほとんど変わりません。
トップライダーのライテク講座のフォームを教えている部分で確認してみると分かります。
よって今まで怖いと思っていたところも安定して走るコトができ、安定するコトで自然とアクセル開度が大きくなることで全体スピードが上がり、急なフラれに対しても対処しやすいので転倒しづらくなる上、平均タイムアップに繋がります。
基礎練のアプローチは2つ
以下の通りです。
基礎練のアプローチ
- ゆっくり行う
- 全力で行う
冒頭で説明した通り、どちらか片方ではなく両方必要な練習です。
ゆっくり行う
「基礎練」と聞くとコチラを想像する方がほとんどなのではないでしょうか?
では「ゆっくり」行うコトで、得られるメリットについて2つ紹介します。
フォームの改善
皆さんご存じだと思うので軽めに。
動作をゆっくり行うコトでカラダの細かい部分まで気を遣うコトができ、頭で「ゴッチャ」になりがちな複雑な流れを確認するコトが可能で、「体に覚えこませる」にはもってこいな方法です。
もちろん「ゆっくり」が出来ないと、「全力」では間違いなくフォームが崩れてしまうので、最初はコチラを優先的に取り組みます。
丁寧なアクセルワーク
これは非常に重要なポイントです。
簡単に言うと、
コーナリングで2度開けをしないようにする
というのが、習得するべき内容です。
上級者ライダーは例外なく、アクセルワークが丁寧です。
ハデハデなライディングのライダーをみると、アクセル開け開けでレぶりまくりで走っているのに目が行きがちですが、コーナーのアクセルワークはメチャクチャ丁寧です。
コーナーへの進入速度が速い上に、アクセルの開け始めが速いです。
初・中級者のコーナリング中のアクセルワークは、
「ブブブブブブブブワッ、ブワッ、ブワーーーーーー」
一方、上級者のアクセルワークは、
「ブブブブブブブゥゥゥゥゥゥゥゥゥワァァァァァァァァァァーーーーーーーーー」
このような感じで上級者はずっーっと音が繋がっており、グラデーションのようなイメージで丁寧にアクセルを開けていきます。
コーナリング中に2度、3度アクセルを開けるのが何故いけないかというと、せっかく掛かっていた「トラクションが抜ける」からです。
コーナリング中にトラクションが抜けると、間違いなく「アンダーステア傾向」となって走行ラインからアウト側に膨らんでいき、コースアウトします。
2度開けしてしまう理由としては、アクセルの開け始めの「アクセル開度」が大きすぎる、もしくは、旋回スピードがコーナーのRに対して合っていない場合が考えられます。
旋回スピードが遅すぎると「内側に倒れそう」になるため、自然とアクセルを開け足して一瞬加速するのでまた戻してしまい、旋回スピードが速すぎると「曲がり切れない」のでアクセルを戻します。
最初のうちはコーナリング中にフォームが固まっていないため「フラフラ」しがちで、どーーしてもアクセルを戻しがちになります。
昔は師匠によく、
と言われてました。
速く走りたいからアクセルを「ガバ開け」すればよいと思っていましたが、そんな単純な話じゃありませんよね(笑)
このように丁寧なアクセルワークを身に付けるには「ゆっくり」練習する必要があります。
全力で行う
コレは本当にキツイ練習で、本気でやると10分くらいで限界が来ます。
逆にずーっとできるような基礎練ではこの「全力」には当てはまりません。
モトクロスコースは整備された路面で長いストレートがあり、「全開走行」で練習できます。
この「全開走行」を、オーバルや8の字でやる意識です。
このやり方だと少しストレートを長めにとって加速できる区間を作る必要がありますが、その詳細については次の記事でまた解説します。
アクセル全開
とにかく立ち上がりで「アクセル全開」にします。
アクセル全開にしようとすると最初はどーしても肘まで一緒に下がってしまいますが、この動画を参考に「ドアノブ握り」を練習しました。
最初は1速で練習して、上達するにつれて2速、3速とステップアップしていきます。
私は4スト250でひたすら練習に取り組みましたが、2スト250で全開だとパワーが物凄いので、自分の中で最大限にアクセルを開けて加速します。
とにかく全力です!
もちろん休む箇所は無く、メチャクチャ疲れます。
集中力が切れると簡単にオーバーランしたり、転倒したり、リズムが崩れたりしてしまうため、かなりな集中力を必要とします。
「アクセル全開」が出来るようになると飛躍的にスピードが上がり、平均タイムが上がります。
フルブレーキング
アクセル全開にして加速した後は「フルブレーキング」です。
シッティングでは出来ないことは無いですが難しいので、加速後にスタンディングへ移行して行います。
最初はフルブレーキは難しいと思うので、「アクセル全開からのフルブレーキング」を別で、安全な長い直線を使って練習してみることをオススメします。
当時私が参考にしていた動画はコチラ。
アクセル全開は「手首をひねる」だけで出来ますが、フルブレーキは適切な「ブレーキングフォーム」をとって、ロックさせないようにスピードを落とさなくてはなりません。
思い切り加速できても、止まれなければ全く意味がありません。
アクセル全開と同様に「フルブレーキング」を練習するコトはとても大切です。
滑ったら半クラッチ
コレも大切な練習の1つでリアが不意に滑ったら「半クラッチ」を使って駆動を逃がし、転倒を防ぎます。
クラッチ操作に関してはコチラの動画を参考にしていました。
「全力で攻める」となると、どうしてもアクセルワークは雑になりがちで、立ち上がりでリアが滑るという現象が頻発します。
そのまま滑らしたままだと、転倒するか向きが反対方向に向いてしまうかの2択ですが、コレを「半クラッチ」を使用して防ぎます。
この技術は、自分が意図しないタイミングでリアが滑ったり、転倒しそうになったときに有効で、基礎練でコレを習得しておくと、そのタイミングで「自動で発動」するようになります。
まさにこれも有意識を無意識化する有効例で、「カラダが勝手に動く」という有効例です。
くんすけの取り組み経験
以下の通りです。
くんすけの取り組み経験
- 最初はとにかく8の字
- 徐々にアクセル開度が上がる
- アクセル全開にできるように
記憶が定かではありませんが、それぞれの項目で大体1年間くらいかけて取り組みました。
最初はとにかく8の字
前回紹介したように師匠からは、
とアドバイスをもらっていたので、オーバルから取り組みました。
しかし、「左周り右回り」「シッティングとスタンディング」と交互にやる必要があり、各10分ずつやるとしても合計40分も掛かる計算となります。
休日は師匠とコースで一緒に練習していたので、当時は平日の仕事終わりが「基礎練」のメインでした。
この時点で結婚していたため、時間は30分程度しか取れず、サッと練習をしてダッシュで帰るという感じでした。
なので、途中から左右のコーナーを一気に練習できる8の字にひたすら取り組みました。
シッティングは下手くそながら何とかできるのですが、スタンディングの8の字がかなり難しく、苦戦した記憶があります。
当時はこの動画を参考に、ゆっくりスタンディング8の字を練習しました。
徐々にアクセル開度が上がる
最初は全然アクセルを開けるなんて到底考えられないレベルでしたが、ジョジョに立ち上がりでアクセルを開けられるようになりました。
開け始めはまだかなり遅いタイミングなのですが、この頃から2度開けしないというコトが身についてきました。
また、ネット・雑誌・動画などで情報を調べまくっていた時期がこの頃で、約5年前は今ほど日本のトップライダーがライディングスキル動画をアップしていなかったせいか殆ど無く、海外の動画をよく見て参考にしていました。
私は英語が得意だったので……
出てくる英語を翻訳アプリで日本語に変換しながら頑張って解読してました。
最後の「おわりに」の項目で、過去に私が研究していたYoutubeチャンネルをまとめてありますので、良かったら参考にしてください。
自分の基礎練を変える動画と出会う
私はコチラの動画を発見し、基礎練に応用しました。
何度も何度も何度も何度も……………繰り返し観て、研究しました!!!
私がこの動画を基礎練に応用して考えたメニューは以下の通りです。
- スタンディングオンリーで8の字
- シッティングで足を出さずに8の字
- 片手シッティングでオーバル(8の字は当時できず)
- 普通に8の字
これを大体30分くらいかけて取り組みました。
①は最初に取り組み始めていたので多少できるようになってました。
➁は、コレはナニが良いかというと「足を出さない」ことによって、多少曲がりにくくなる状況を作るコトにより、「曲げよう」とするアクションを引き出すことができます。
③は、上半身の力を抜いて「下半身で曲げる」という技術が習得できます。最初は怖い上に全然曲げるコトが難しすぎて絶望します。
そしてこの上記3つを取り組んだ後に、何の縛りもない状態で8の字をしてみます。
そうすると、メチャクチャ曲がるし、スピードを出すことができます。
と錯覚するほどです。
しかし、次にやってみると振り出しに戻っています。
そんな簡単には上達しないですからね…(笑)
この練習方法は、結構難しくてイヤになるかもしれませんが、それ相応の成長が見込めるので、これを読んだ方は試しにやってみてください。
アクセル全開にできるように
練習を積み重ねた結果、短い区間でもアクセル全開にできるようになりました。
自分で短めの単純なコース設定をし、より実践的に走行して練習に取り組みました。
コーナーの立ち上がりで、短い区間でもアクセル全開にできるようになると、飛躍的にスピードアップするコトが可能となります。
いわゆる「いちいち全開にする」という走り方です。
コレを身に付けた結果、成績も急激によくなり、今までのライバル達に差を付けるコトができるようになりました。
この段階ではシッティングしか全開にすることができず、スタンディングで全開にすることはムリでしたが、コレは慣れないと体力消耗が激しいのである程度アクセルを開けて加速するコトができれば問題ないかと思います。
またアクセル全開走行をするには、適切なポジションで、適切なサスセッティングでないと吹っ飛んで大ケガする可能性があるので「むやみやたらに全開!!」は危険なので、ちゃんと段階を経るようにすることをオススメします。
おわりに
今回はオフロードバイクで「速くなる」基礎練の極意|キーポイント編|ということで、「基礎練で練習する2つの要素」「基礎練のアプローチは2つ」「くんすけの取り組み経験」を解説しました。
基礎練で練習する要素
- シッティング
- スタンディング
基礎練のアプローチ
- ゆっくり行う
- 全力で行う
くんすけの取り組み経験
- 最初はとにかく8の字
- 徐々にアクセル開度が上がる
- アクセル全開にできるように
私は「ゆっくり」8の字を積み重ねた後に「全力」で8の字に切り替えましたが、過去に戻ってまた1からやり直すとしたら、「ゆっくり」と「全力」を同時進行で練習すると思います。
私の練習スタイルは「短時間で超集中」なので、逆に長く練習するコトに苦手イシキがあります。
丸一日時間を取れたり、長く練習するコトが得意な方は、ゆっくり→全力→コース走行とすべてを取り組めば、より実践的に練習するコトができ、上達が加速すると思います。
基礎練は合う合わないが分かれると思うので、自分に合った練習スタイルでこの記事の内容をマネして取り入れて、練習に取り組んでみてください!
つづく…。